バイクの整備で誰もが一度は経験する、ネジの頭を潰してしまう舐めるという失敗。とくに手が小さいと、ドライバーにうまく力が伝わらず不安を感じることも多いですよね。今回は、握力の弱い女性や小柄な方でもしっかりと力をかけられる、自分にぴったりのドライバー選びのコツをご紹介します。
適切なサイズ選び
バイクの整備で一番基本となるプラスドライバーですが、実は先端のサイズに明確な違いがあるのをご存知でしょうか。バイクでよく使われているのは2番と3番と呼ばれるサイズです。一見どれも同じように見えますが、ネジの十字の溝に対して小さなドライバーを使ってしまうと、回した瞬間に簡単にネジの頭を削ってしまい、いわゆる舐めた状態になってしまいます。日本のバイクであればJIS規格に適合した精度の高いドライバーを選ぶことが大切です。まずは自分の愛車で一番よく使われているネジのサイズを確認し、それにぴったり合うものを揃えていきましょう。また、先端にマグネットがついているタイプなら、外したネジがエンジンの奥やカウルの隙間に落ちてしまう悲劇を防げるので、月極駐車場などの屋外作業でも非常に安心です。
グリップの太さと形状
手が小さい方がドライバーを選ぶときに最も重視したいのが、グリップの太さと素材です。実はドライバーでネジを緩めるときは回す力よりも押し込む力が重要で、基本は押し7に対して回し3の力配分だと言われています。しかし、一般的に力を入れやすいとされている太めのグリップは、手が小さいとしっかりと握り込めず、かえって押し込む力が逃げてしまいます。ホームセンターやバイク用品店で実際に握ってみて、指がしっかり回って手のひらの付け根で力強く押し込める太さのものを選んでみてください。また、表面がラバー素材でコーティングされているものは滑りにくく、少ない握力でも確実にネジに力を伝えることができます。丸みを帯びた樽型のグリップや、指が引っかかりやすい六角形の形状など、ご自身の手の形に一番しっくりくる相棒を見つけることが安全な作業への近道です。
固着と車両の相性
自分の手に合う素晴らしいドライバーを見つけ、正しい力の入れ方を意識しても、長年のサビで完全に固着してしまったネジを回すのは至難の業です。とくに年式の古いバイクや、長期間屋外で保管されていた車両では、無理に回そうとするとネジを完全に壊してしまったり、手が滑って怪我をしてしまったりする危険が高まります。潤滑剤を吹いて時間を置いてもびくともしないような頑固なネジがあちこちにある場合、それはご自身の環境でDIYを楽しむには少しハードルが高すぎる状態かもしれません。整備のたびに固着したネジと格闘し、休日の楽しい時間がただの疲労に変わってしまうのなら、無理に維持し続ける必要はありません。もっと状態が良く、気楽に手を入れて楽しめるシンプルなバイクに乗り換えることで、DIY本来の楽しさをきっと思い出すことができます。
自分の手や力にフィットするドライバーは、バイク整備を安全で楽しいものに変えてくれる心強い相棒です。お店で実際に握って、ぴったりの一本を見つけてみてくださいね。もし、道具を揃えても固着したネジなどに苦戦し負担を感じるなら、もっと気軽に触れるバイクへの乗り換えも検討してみましょう。


